随筆

古さと納税

能登半島地震が起きてからひと月以上が経った。 「寄附金を送り、しばし待つ」 復旧期における、たぶんこれが一般人にできる最良の支援だろう。最新版のボランティアの作法といっていいかも知れない。 だからと言って、すぐに現地に行くなというつもりはない…

うさぎおーいしくらのすけ

卯年だ今年は跳ねるぞピョーン♩と浮かれていたら、もはや年末討ち入り殿中でござる。あっという間だね、かあさん。 1ヶ月に1本は記事を書くつもりでいたのに、今日でやっと6本目。書く気はあっても、暇がなk、、、言い訳だね。 だからというわけではないけ…

手をつなごう キスはしない

あれはまだコロナ禍前。日本中がインバウンドインバウンドしていた。 京都は訪れる度に外国人が、というか日本人も含めて観光客が増えていた。 タクシーの運転手さんが言うには、「昔は夏はオフシーズンやったんですけどねー。今は年中多いですわ。」とのこ…

そして書は旅に出る

画家ゴーギャンの古書に1枚の色褪せた通信簿が挟まっていた。それは、昭和23年、別府市の小学6年生の少女のものだった。番組は通信簿を少女に返さねばという思いに駆られ、少女探しの旅に出る。歴史に埋もれた日本の戦後史をひも解く旅の始まりだった…。 私…

旅のしおり(京都編)

旅と言うわけでもないが、2ヶ月ぶりに京都へ。 朝はそれほどでもなかったのだが、昼下がりにもなると大きなスーツケースを持った人が随分と目に付く。駅の構内を何やら相談しながら歩く卒業旅行らしき若者や外国人観光客を避けながら歩く。彼らの視界には、…

おみくじ2023

元旦のお天気にすっかり気を緩めていたら雪に降られ、本日初詣了。 詣で先は、いつもの地元の神社だ。 鳥居の前まで来たところで少し変化は感じていた。気を付ければ歩ける程度の積雪とは言え、いつものように参道の雪かきがされていなかった。 昨年、私が子…

ポイントレス

私が初めて「ポイ活」という言葉を耳にしたのは1,2年前だったか。「断捨離」ブームもあって、「ポイッと捨てる活動」のことと思っていた。 買い物をするとポイントがもらえる仕組みはこれまでもあったが、それらは“おまけ”やスタンプラリーの延長上にあった…

隠していては進まない

「思春期」とは11~17歳のことらしい。いつの間にか過ぎていた。 「春機発動期」とも呼ぶそうだ。 ヤマハかよ。確かに今も、あの頃のことが突然発動することはあるけれども。 先日、京都駅のトイレから出ると、あとから中学か高校生くらいの男子二人組が出て…

国葬劇場

「国葬」が終わった。 『ちむどんどん』も終わった。 国論を二分していた両者が無事に終わり、正直やれやれです。関係者の皆様、お疲れさまでした。 『ちむDQNDQN』への評価は後世の歴史家に任せるとして、ここに「国葬」について残しておこうと思います。 …

生きる免許は更新された

運転免許の更新かー。 冷蔵庫に貼ってある更新ハガキによれば、期限は来月だ。まだ余裕だ。余裕だ余裕だと思っていたら、あっという間に目の前に。 …そんなことを繰り返してきた。 私は子どもの頃から期限ギリギリ。大人になってもそのまま。その意味ではま…

釈迦に説法 初夏にワンピース(後編)

息を整え、エスカレーターへ。 ここを上ると、駅の喫煙所がある。囲いはしてあるが天井やドアはなく、衝立で仕切られただけのような構造だ。こんなところにも京都らしさを演出だろうか。 そのため、臭いと煙が容赦なく漏れ出てくる。なんなら人間も漏れ出て…

釈迦に説法 初夏にワンピース(前編)

「せいりけんをおとりになるか、あいしーかーどをたっちしてください。」 繰り返す音声に被せるように 「ご乗車ありがとうございます。このバスは、、、」 の車内アナウンス。聞き慣れない声だ。どうやら、新しい運転手さんらしい。 バスの挙動に合わせて「…

何食べたい?

病院を出て、いつもの京都駅行きのバスに乗る。乗車率は4割といったところか。 私の斜め後ろの席から、親子(であろう)の会話が聞こえる。 声から想像すると、子どもは小学3~4年生くらいか。病院からの乗客は静かなことが多く、会話をしても最低限で済ませ…

チェルノブイリはロシアじゃねぇ

ロシア軍がチェルノブイリ原子力発電所を攻撃したとのニュースが流れたとき、真っ先に思ったことが、 「え?チェルノブイリってウクライナにあるの!?」 である。チェルノブイリ原子力発電所の事故をタイムリーで知っている世代でありながら、まったくお恥…

氷の世界

数年ぶりの冬らしい冬。やる気ストロングゼロ。 犬が居たときには、毎日外へ強制連行されたのだが、それがなくなりもう4年が経つ。供養も兼ねてと、毎日一人散歩に出た時期もあったのだが、だんだんとおっくーんになり、随分と甘えた身体になってしまった。 …

おみくじ2022

2021年は数年ぶりの大雪で締めくくりとなり、明けても明けても雪を掻いておりました。災害と請求書は忘れた頃にやってくる。 と言うわけで、初詣は4日になったのですが、雪の重みで折れた枝が境内の至るところに落ちていました。もしかしたら、落ちてきた枝…

別れ際

帰りのバスが来た。乗り込むのは、私一人。ICカードをタッチし、少し迷って一番後ろの席に座る。久しぶりの街は師走の様相だったが、ここはいつも通りだ。 「ご乗車ありがとうございます。ご乗車の際は、、、」 あ、この声は! きちんと調べたわけではないが…

一票の格差(選挙後)

衆院選が終わって、みなさんお変わりありませんでしょうか? 私は、選挙前はこんなこと↓を書いていたのですが、特に変わらぬ毎日を過ごしております。 meganegadoushita.hateblo.jp 地元の小選挙区は、毎度おなじみ自民党候補が当選。比例区はかなり悩んで投…

一票の格差(選挙前)

衆院選(と国民審査)の期日前投票に行って来ました。 小選挙区はいつものように消去法。選挙区に投票したい候補者がいないなんて、個人的にはこれこそ憲法違反だと思っています。しかも小選挙区で負けても比例で復活できるとか、舐めてるの?「惜敗率」って…

目を開けろ

>黙祷 SNSのタイムラインに今年も流れ込んできた。あの時刻に合わせて。 私はこの種の発信をする人たちが嫌いだ。 「黙祷」の意味を分かっているのだろうか。 わざわざ言葉に出すなよ。黙ってできねーのかよ。アンパンチかよ。 だいたい文字打ち込んでから…

私のハートは菩薩モーション

2月は筆が遠い。 過去記事を振り返ると、やはり毎年のことのようで、書いて1本程度。振り絞ってやっと書いている感じ。内容も灰色冬模様なものが多いので、今年こそはパーッと一目惚れの話でもしましょうか? さて、どういう状態が“一目惚れ”なのかは人によ…

シャリシャリ

シャリ、シャリ、シャリ……、シャリ、シャリ、シャリ、シャリ………、シャリシャリ…、シャリシャリシャリ…… あの音が聞こえた気がした。白菜を食べる音だ。 うちの犬は、白菜が好きだった。冬は鍋、鍋と言えば白菜、白菜と言えばうちの犬である。 白菜は、母がう…

コタツを抜けるとそこは夕方だった

いつもの神社に初詣に行って来ました。今年“も”密を避け、そそくさと。境内は特に変わった様子もなく、子どもの頃から変わらない50円のおみくじを引きました。 結果は中吉。まとめますと「他人に惑わされず、考え過ぎず、信念に従い行動するように」とのこと…

2020年ふりかえり

数字の並びも良く、なんとなく浮かれて始まった2020年。振り返ってみれば、なんのことはない、これまで以上に我慢の年となりました。 とは言え例年ですと、年末は何だかんだで区切りがつく感じがするものですが、どうも今年はまだまだ坂の途中にいる気がして…

ヤマトナゼ四股七変化

タイトルは、先日なぜか突然四股を踏みだすアイドルが頭に浮かんだものです。これも筒美京平さんが亡くなった影響でしょうか。 80~90年代アイドルを知る世代としましては、元ネタで浮かぶのは、小泉今日子さんの『ヤマトナデシコ七変化』一択なのですが、他…

私は無理をしているのだろうか

ときどき思うのです。 Floating Points - Full Performance (Live on KEXP) こういうの↑を聴いて、「あああ、無機質な空間に色々なパズルやブロックを組み合わせ、クールで知的なグルーヴを作り上げていくの、かっこいいなー。こういう音楽をかっこいいと思…

露わ

また犬の話で恐縮です。 犬を飼わなくなってからというもの、ツイッターでもなんでも、タイムラインに可愛い犬の画像が流れてくると、うれしいのです。川に洗濯に行ったら大きな桃が流れてきたお婆さんもこんな気持ちだったのかな、くらいのいい犬が流れてき…

あの夏を許して

先日、梨を食べたら、長かった梅雨を抜けて連日の猛暑、強い日射しと未知のウイルスで迂闊に出られず、窓を開ければ、昼は熱風、夜は温風。家の中でほぼ一日中エアコンを入れていないと過ごせなかった夏のことなんて、一口で忘れてしまった。 甘いな。

あなたが決めて

こういうご時世なので、あまり人とじっくり話すことも少ないのですが、先日、用事で知人宅を訪問した際に、考えさせられることがありました。 都会の事情はわからないのですが、私の住む田舎ではマスクをする人が減ってきている印象です。2~3ヶ月くらい前ま…

神様お願い【特別編】

子どもの頃、私の家の周りは蛍がたくさん飛んでいました。昔からよく言われるのが、気温と湿度が高く空気がモワッとした日の夜、時間は夜9時までくらいなら必ず出てくる、、、アニメ『火垂るの墓』の蛍が舞うシーンのような光景が昭和の終わり頃くらいまでは…