糸井重里を嫌いな人がいるなんて

 あ~、手帳売って暮らしてぇ。

 疲れた日本人なら誰もがそう思っているかどうかはわかりませんが、少なくともコピーライター(と埋蔵金ハンター)としての糸井重里さんを知っている世代は、彼のことを好意的に見ていると思っていました。

 しかし最近、彼を嫌う人たちがいることを知りました。

 

 確かに、「飾らない」「自然」「シンプル」、、、一見すると現代社会から距離を置いているようで、実はマーケティングにどっぽりな生き方を提唱しては、“おいしい”生活を手に入れる人たちと同じニオイがすると言えばしますし、もしかすると発臭源なのかも知れませんが、個人的には、彼のようなポジションが羨ましいです。

 以前に、インターネット上で“恋しさと せつなさと 糸井重里” というフレーズが流行ったことがありましたが、私が今そのような心境です。

 

 たとえば、この冬にあたたかくてしかも履いててラクな靴下が欲しいなーって思って、このような記事を見せられたとして、

 

チェコのおばあちゃんとの出会い

「かかとに据わる靴下」──チェコでは、履き心地の良い靴下のことを、そんなふうに表現するそうです。チェコのルジェナおばあちゃんが編んだ靴下に出会ったのは2006年でした。

東欧のチェコは雪国であるため、氷点下15度という日も珍しくなく、外出時はブーツに分厚い靴下を履いて足元もしっかり防寒しなければなりません。
ルジェナおばあちゃんが編んだ靴下は、「直角」の形をしていました。靴下の編み方は母親を真似て自然に覚えたそうですが、かかとの編み方はおばあちゃんが独自に考えたのだとか。
履いてみると、かかと部分がすっぽりと収まって余ることなく、ズレ落ちにくく、とても履き心地が良いものでした。

履く人のことを考えて、履き心地の良さを追求し、履く人に喜んでもらえる靴下――ルジェナおばあちゃんが編んだ「直角」靴下の心地良さを、もっと多くの人に手軽に味わって欲しい。そんな思いから、手編みで形作った直角を機械編みで再現するという、今まで誰もやったことのない挑戦が始まりました。

靴下と聞いてみなさんが普通に思い浮かべるのは、「くの字」に曲がったあの形。120度の靴下です。角度にするとたった30度の差ですが、これが大きな壁でした。 どうすれば、この「くの字」を「L字」に変えられるのか――靴下メーカーの方々とのミーティングがスタートし、早速、研究開始です。関係者みんなで、1足の手編み靴下を代わる代わる履いてみました。「う~ん、なるほど」かかとがすっぽりはまるその快適性は、誰もが実感できるのですが、ただただ唸るばかり。唸っては靴下を眺め、眺めては履き、を繰り返すだけで、なかなか答えは出てきません。

そこで、「実際に編み方を見て研究しましょう!」ということになり、チェコのおばあちゃんの娘さんに来日していただくこととなりました。2006年5月某日。社内の関係者全員が揃う中、チェコから来日した娘さんに、靴下の手編みを実演していただきました。そして、その一部始終を研究のためにビデオ撮影しました。ところが、撮影はしたものの、そのビデオを観ても、出てきた答えは「やっぱり、わからない...」。手編みの編み工程自体も非常に特殊なのですが、それを機械編みにしようとするとさらに難しく、関係者一同、首を傾げるばかりです。また振り出しに戻って、一からやり直し。そんなことの繰り返しでした。

一方、工場探しも難航しました。そもそも、一般的なものづくりに逆行して非効率的なことをしようとするのですから、そう簡単に見つかるはずはありません。何度も何度も問い合わせた結果、編み機を改造(調整)するしかないという結論に至りました。 そこから、試作と根気の戦いが始まりました。サンプルを作っては試し履きし、また修正をかけては試し履きをする、という工程の連続です。直角に編み立てては、かかとが余りすぎないか、足の甲がたるみすぎないか、ズリ落ちないか、と検証していきました。納得のいくサンプルができあがったのは、こんなやり取りを10回以上も重ねた後のこと。こうしてやっと、チェコのおばあちゃんの手編みの靴下を日本の靴下に反映した「足なり直角靴下」が誕生したのです。

2006年11月、たった3アイテムでスタートした「 足なり直角靴下」。2010年2月からは無印良品のおおよそすべての靴下が直角になっています。

 ああ、こういうおばあちゃんいいよね。

 でもこれ、結局おばあちゃん関係なくない?

 

 最初から、そうハッキリと言える心強さが欲しい。

 買ってすぐに毛玉いっぱい、履き口がよれよれになった直角靴下を握りしめながら。

欲しいのはティッシュじゃない

 毎年この時期になると忙しくなるのが年賀状の、、、営業です。

 田舎だと親戚や友人筋から頼まれることがすごく多いのですが、その営業スタイルについては、いつも疑問に思います。

 まず、局員(や家族・親戚など)から、所定の申込み用紙を渡されて、住所氏名・枚数などの必要事項を記入して提出するところからして面倒なんですけれど、提出したところですぐに現物が来るわけでもなく、日を指定できるわけでもなく、向こうの都合で持ってきて、お金はそのときに現金で払うというスタイル。

 私が知らないだけで、各郵便局によってやり方は違うと思うのですけれど、全国の皆さんどんな感じですか?

 

 中の詳しい事情はわからないのですが、申込み用紙の宛先が、営業に来る局員の所属郵便局名なところからして、今年も実質的なノルマがあることは察しました。

 こちらにお願いするほうも嫌だと思うんです。売った枚数で個人に報奨金でも入るんならまだしも、わざわざ知人に手間かけさせてまで見せかけの実績作るなんて。

 それで、やっぱり申し訳ない気持ちになるのか、注文した年賀はがきを持ってくる際に、ポケットティッシュくれたりするんですけれど、どうせなら、試し書き用のハガキをひとつ私にくださいな。ハガキ型の紙でいいからくださいな。

 年賀状自作派の人は、ごわごわのポケットティッシュよりそっちの紙のほうが喜ぶと思います。

 実際のところ、年賀状が少なくなって一番困るのは、プリンターやインクメーカーのはずなので、それくらい協賛してあーげましょう、あげましょうになりそうものだけどなぁ。 

 

 いろいろ言いましたが、頼んだら持ってきてくれるのが助かる人もいるのは確かなので、もう少しみんなに幸せが届く方向でよろしくお願いします。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゲゲゲの鬼太郎

わかりあえない前提

 子どもの頃、近所の同い年の三人でよく遊びました。

 小学校は地元の公立。誰かの家に集まって、部屋でだらだらテレビゲーム、おやつに漫画、みたいなことでした。

 中学校もみんな同じ地元の公立でしたが、クラスや部活が違ったこともあり、遊ぶ回数はかなり減りました。

 高校に入ると更に回数は減りましたが、集まったときには、当時流行っていたサッカーゲームをしたりしていました。

 

 私の住んでいたまちには、3つの高校がありました。いずれも公立校ですが、住民の間には暗黙の格付けがありました。私は、二人とは別の高校に通っていました。

 ある日、久しぶりに三人が集まったときのことです。

 どういう経緯かは忘れたのですが、ひとりが「◯高の奴は、俺らのこと馬鹿にしてるんやろ?」と言いました。

 子どもの頃から何度も喧嘩はしても、そういう話にはなったことがなかったので、私は目の前に突然壁が出来たようで動揺しました。自分なりに否定したのですが、「賢い奴に、アホの気持ちはわからんやろ!」と言われ、うまく返せませんでした。

 そのせいで更に疎遠に…、ということはなかったのですが、高校卒業後には住むところもバラバラになり、以来一度も集まっていません。

 ちなみに、偶然にもみんな長男ですが、ひとりは地元を離れて就職し、そこで結婚して暮らしています。ひとりは地元に就職しましたが、保守的な父親の元を離れて婿に入りました。ひとりは大学卒業後地元に戻り、インターネットの片隅で生きています。さて私は誰でしょう?

 

 というわけで、世間様の言う「相手の気持ちになればわかる」みたいなことに、私はずっと疑いを持っています。やっぱり、人間はひっくり返っても、同じ立場にも気持ちにもなれない部分があるはず。それなのに、わかったような(わかられたような)気になっては、喜んだり、悲しんだり、怒ったり、勝手なことを言っているんだろうな、と。

 誤解のないように補足しますと、そういう前提でいたほうが良いと思うだけのことです。

 わかろうとすることに、きっと意味はありますから。

 

 実はこの度、こんなサイトをつくりました。

 わかってくれとは言いませんが、こんな人もいるのかと思ってもらえれば幸いです。

 

屁を国

 得ぬ国に限らず、ああいう方たちの燃料は話題性(アクセス数)ですから、止めさせたいなら、ゆっくり屁でもこきながら無視が一番。メディア社会における兵糧攻め。くれぐれも勇んで倒しに出ませんように。本気で勝ちたいなら、真の相手は自分です。

 みたいなお説教を、このお話を見ながら考えていました。


まんが日本昔ばなし 屁ひり女房

 こどもの頃、ムキになっていると「押してもダメなら引いてみな」とよく言われましたけれど、世の中には「引き屁」という概念があることをこのお話で初めて知りました。しかも、押し屁(?)より威力があるみたいだし。

 いったい、腸内環境どうなっているの?うんこは、うんこはどうなるの?

 というわけで、違うバージョンがありましたので、貼っておきます。屁でもこきながらどうぞ。


へっこきよめさ

 いやほんと、ぶっ放したいですね! 

フジロック2019 ライブ配信 ありがとう

 ネット上では、ここ数年のフジロックの観客マナーが悪化していると話題になっているようですけれど、現地に行っていないので、あれこれ言うのは控えます。(新しい問題でもありませんし…)

 とりあえず、ライブ配信で気になったのは、観客がアーティストをスマホで堂々とバシバシに撮っていたことです。最近は、黒いTシャツ姿のスーパーマッチョな外国人のセキュリティーの方に、手持ちライトで指されたり、大きく両手でバツ印で作って注意されることはなくなったのでしょうか。

 個人的には、遠巻きにあのやり取り(駆け引き)を見るのが、けっこう好きだったのですが、あれだけの数を止めさせようしたら、もう米軍にお願いするしかなさそうです。

 今年のライブ配信、去年よりも更に快適でした。途中で次のプログラムへ切り替わってしまい、野球中継か!って声が出たりもしたけれど、私は元気です。

 観たアーティストに印をつけたのが下の図です。赤丸は試聴時間とか私の熱量を表しています。(レビューにキャプチャー画像を貼りましたが、著作権などの問題あるようでしたら削除します。できれば見逃してください!)

f:id:meganegadoushita:20190810230809p:plain

 ベストアクトは?と聞かれたら、答えは、JANELLE MONAE(ジャネール・モネイ)様です。

f:id:meganegadoushita:20190810231952p:plain

 私は、全くの予備知識無しで、今回初めて彼女を観たのですけれど、ステージパフォーマンスの完成度が群を抜いていました。私が中世の騎士だったら、間違いなく跪いて忠誠を誓っています。なんというか、全てにおいて“正しい”感じがしました。

  

 以下、レビューをこの夏の思い出とともに置いていきます。

【銀杏BOYZ】

f:id:meganegadoushita:20190811000842p:plain

  彼らの人気ぶりは知っていましたが、私自身は特に思い入れもなく、興味本位でチャンネルを合わせただけだったのですが、ボーカル峯田和伸の姿に、私はなりたかった昔の自分に気付いたのです。

 醜い泡よだれ姿の熱唱と憎めない純粋バカなMC、こういういつも熱くて面白くて、みんなに認められる奴になりたかった。でも実際は、年齢を重ねるごとに、冷静を装い、斜に構える奴になっていきました。

 だから今の自分がダメということではないし、恋愛が世界を平和にするとか、何やってもいいから生きろ的な彼のメッセージには賛同しかねる私ですが、せめてあの頃の熱い気持ちの欠片くらいは、いつまでも持っていたい、絶対に人の心をテクニックで操ったりしねーぞ、このやろー。と思いました。

 

【Hanggai】

 前記事でも紹介していたモンゴルのロックバンドです。私の周りでは、彼らのことを知っている人はいないけれど、世界では確実に知名度が上がっているからこそ、演奏するステージもバンドも大きくなって苗場に呼ばれるわけで、なんだか自分が認められたようで嬉しくなりました。 

f:id:meganegadoushita:20190811160946p:plain

  見てくださいよ、8年前は裸同然だったのに!

f:id:meganegadoushita:20190811162427p:plain

  次はまた更にイイ服を着て日本に帰って来てください。

 

【The Paradise Bangkok Molam International Band】

 フジロック直前情報で知ったこちらのバンド。

 まずは写真の3つの楽器について。私調べでは、タイの民族楽器「キム」「チン」「ケーン」で、日本の「三線(三味線)」「銅拍子(チャッパ)」「笙」に似ています。ここでアジアが繋がっていることにまず感動。

 日本だとこれらをロック調に仕上げて“縦ノリ”させてしまいがちですれど、彼らは、これにファンキーなベース&ドラムを乗せ、独特な“うねり”を生み出します。

 そうなんです、波に千鳥、梅に鶯、揺らぎある音色にはファンキーグルーヴでございます!

f:id:meganegadoushita:20190811002532p:plain

f:id:meganegadoushita:20190811002656p:plain

 素晴らしいと思いませんか、この熱狂!東儀秀樹ではダメなんです!!

f:id:meganegadoushita:20190811002614p:plain

 純粋に最も私の身体全体を熱くしてくれたのが、彼らのステージでした。見終わったあと、Amazonでいっぱいダウンロードしました。マジ合掌。

 

【Khruangbin】

 一方で、なんと申しましょうか、ゆっくりとマウントをとられていく悦びと申しましょうか、焦らされることで精神を支配され、本能がむき出しになる瞬間と申しましょうか、永遠に「待て」を解かれない飼い犬と申しましょうか、要するに、彼女に彼らのステージにすっかりハマってしまいました。

f:id:meganegadoushita:20190811150118p:plain

 多分、音を聴いているだけでは眠くなってしまうと思うのですが、

f:id:meganegadoushita:20190811151327p:plain

 ライブになると目の前の動きの一つ一つにもっと欲しくなってしまって、、、

f:id:meganegadoushita:20190811152058p:plain
 最後にこのご満悦の表情ですからね。

f:id:meganegadoushita:20190811144952p:plain

 現地でお酒飲んでいた人は、ほんと何人かパンツ脱いでいたと思います。冒頭のマナー悪化の話は、この日の夜の出来事ではないでしょうか?

 あとから知ったのですけれど、このステージが最後まで配信されたのは、次のJames Blakeさんの配信予定がトラブルでキャンセルされたからだそうで、ミラーボールの光は救いの光、今年もFIELD OF HEAVENには、偶然の神様が舞い降りてくださいました。ありがとうございました。

 (さきほど、探したら当日のフル動画がありましたので、貼っておきます。削除されそうですけれど。) 


Khruangbin Live | Fuji Rock Festival 2019

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 以下、フォトジェニックな写真集です。

 ①かっこいいTシャツの人

f:id:meganegadoushita:20190811163659p:plain

 ②かわいい人

f:id:meganegadoushita:20190811163911p:plain

 ③キュートな人

f:id:meganegadoushita:20190811165915p:plain

 ④つよかわいい人

f:id:meganegadoushita:20190811164517p:plain

 ⑤うつくしい人f:id:meganegadoushita:20190811170315p:plain

 ⑥おいしいパスタを打ちそうな人

f:id:meganegadoushita:20190811164817p:plain

 ⑦雨男

f:id:meganegadoushita:20190811164642p:plain

 ⑧眼鏡男 

f:id:meganegadoushita:20190811165033p:plain

 ⑨先生に怒られそうな人

f:id:meganegadoushita:20190811165218p:plain

  ⑩ライブレポっぽい構図

f:id:meganegadoushita:20190811165544p:plain

 フジロックライブ配信、今年もたくさん楽しませてもらいました。

 本当にありがとうございました!