"おめえの問題を知ってるか? おめえは本の読みすぎだ。おめえが口を開くとかならず、ほかの誰かの考えが出てくる。まるで、腹話術師が操る人形みてえだよ"
— フィリップ・カー『密送航路』
要するに「”おめえ”を見せろよ!」ってことなんでしょうか。
ゴーストライター問題のあの人もコピペ論文のこの人も、デサイン盗用に揺れるその人も、フツーの人より絶対頭いいし、センスあるし、魅力もあると思うんです。だけどまあ、魔が差してしまったのか、元々問題意識がないのか。
結果的に周りからオリジナリティがないと見なされたら、「おめえじゃねぇのかよ!」となって、もう人間扱いされませんからね。妬みの波動ってすごい。
一方で、誠実?だけど他の誰かの言葉(考え)を借りてしか表現できない人もいて。
「ナニナニのダレダレが言うには」みたいなのをやたら前置きとかで入れてくる人なんなの?Amazonのおすすめなの?
まあそれは極端な例ですけども、本の読み過ぎかどうかは別にして、他の誰かの言葉を保険的に使われるとなんというか、出典が明らかな分信用はできるのかも知れないですが、その人との距離ができてしまって。
悪い人ではないんだろうなー。でも「おめえじゃなくてもいいよ」となる。
もちろん、この世に全くのオリジナルの表現なんてものは存在しないだろうし、誰しも先人から何らかの影響を受けているわけで、どちらのおめえパターンも多少純度に問題があったとしても、自分が宇宙の始まりみたいな顔して権利関係ガチガチに固めて排他的な輩よりはよほど愛されてもよさそうなものですけど、なぜかまったく”おめえ”を見せずに外から言うばかりの人たちに辺り一面焼け野原にされちゃったりするのはいったい何なんでしょうね。
というわけで、「おめえ、一体何様のつもりなんだよ。」
はい、今のは自分に言いました。
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今回のワンワードはこちらからいただきました。