粉瘤、オレ流、brand new

 これまでドキュメント【1】~【3】で、私の「粉瘤」体験について書きました。

 私としては、自分の体験が今現在過去未来の悩める誰かのお役に立てればと思い、書き始めたつもりでした。

 しかし、終わってみれば、いつかキース・ジャレットの演奏スタイルについて書きたいと思っていた気持ちが勝ってしまい、結局誰の役にも立てていない気がしてきましたので、今回は真摯に「粉瘤」に向き合ってみたいと思います。

 

 私自身、臀部が腫れたときには不安で不安で、たくさんのネット検索(例:【おしり 腫れ ひかない】【できもの 切る 何科】など)をしました。参考になりそうなものから怪しいものまで、たくさんの記事に出会いましたが、「で、私はどうすればいいの?」という問いに確かな答えをくれるものはあまりなかったように思います。

 粉瘤体験談の類はありがたく読みましたが、粉瘤の苦しみから解放された喜びからか、粉瘤患者の習性なのか、面白おかしく書こうとしているものが多くて、今まさに苦しんでいる私には、楽しむ余裕がない感じでした。

 もし今、あのときの私と同じ思いでこの投稿にヒットした方がいましたら、心中おSuchmosます、、そう、こんな感じで無理に面白おかしく書こうとするの要りませんよね。

 

◆はじめに 

 病院に行く時間がない(行きたくない)と、対処法をネットなどで探しがちですが、素人による安易な自己判断はやめておいたほうがよいです。私のように、その間に病状が悪化したりします。腫れは待ってくれません。奇跡も起きません。結局、最後は病院のお世話になることになるでしょう。

 

◆粉瘤の基礎知識

 学会のホームページでご確認を。

アテローム(粉瘤) - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) 

 

◆受診科

 何科に行けばいいのかは、私の経験からだけですと、初めてで“しこり”のようなものが気になる程度なら、いったん皮膚科で様子見。既に腫れや痛みがあるなら皮膚科で相談するか、形成外科へ。もし、再発の場合は迷わず形成外科へ行くことになると思います。

 形成外科と書きましたが、単に「外科」や「美容外科」などを標榜している病院もあると思いますので、その辺りは下調べが必要かも知れません。

 

◆腫れ・痛みなど

 悩ましいのは、腫れ・痛みは患部を切っても切らなくてもいずれ治まることです。

 私の場合は、切らなかったときの腫れ・痛みは約2週間続きました。ピークを通り抜けるまでには5日~7日くらいかかりましたし、その間はまともに座れない、歩くだけでも擦れて痛い、突然膿が出てきて下着が汚れるなど、生活には支障ありました。

 切った場合は、切った当日はかなり痛みますが、そこがピークです。1週間~10日ほどは痛みは残りますが、腫れは小さくなります。

 

◆(傷)痕

 初発のときは全く切らなかったのですが、腫れが収まっても黒い色素沈着が残りました。

 再発のときは、膿出しのみと本体摘出手術の2回メスを入れました。摘出手術は、ネットで調べると、傷が小さくて済む「へそ抜き(くり抜き)法」と呼ばれるものが出てきますが、私の通った病院はそのようなものではなく、単純切開法でした。

 傷痕は少しずつ薄くなってきていますが、やはり残ると思います。

 

◆通院回数

 皮膚科の場合、患部が悪性のものでなければ、「ひどくなったらまた来てね」な感じで終わりと思います。処方されても塗り薬程度かも知れません。手術についての考え方は、先生によりけりでしょうね。

 切る場合は、経過を見るための診察が必ず入るので、術前・術後は1週間~2週間毎に通院しなければなりません。そして、しばらくは瘡部に自分で消毒・薬を塗る、ガーゼを当てるなどの処置が必要になります。私の場合は、4回(初回、経過診察、手術、抜糸)で通院が終わりました。なお、摘出手術自体は、30~40分程度で終わりました。

 

◆費用

 自己負担(3割で)は初診料を除けば、診察だけなら数百円/回。病院からの処方薬があれば、+数百円かかります。

 私の場合、摘出手術は手術前の検査込みで1万数千円でした。ただし、部位や施術方法によっても違うと思うので気になるようでしたら診察時に確認してみてください。

 それと、病院からの薬以外でガーゼやテープ(シート)を自分で買わないといけないのですが、これが地味に出費でした。

 

◆切るか切らないか

 これは、結局私にもなんとも言えないです。他の病気の可能性もあるので、しこりがあって気になったらとりあえず皮膚科受診で間違いないと思います。あとは、医師の説明を聞いて納得するかどうか。私としましては、悩めるあなたが良いお医者さんに当たることを願うばかりです。

 私の場合は、初発よりも再発時のほうが程度がひどかったのと、3ヶ月も経たないうちに再発したこともあり、再々発に怯えながら生活するよりはよいと思い、切る選択をしました。そのことに後悔はしていないのですが、今思えば、膿出しだけしてもらって、しばらく様子をみてからの判断でもよかったかも知れません。

 

 以上、現場から元粉瘤患者がお伝えしました。

 Have a nice brand new day.

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

参考)


オレ流(1)

 参考にするか、しないか、それが問題だ。