丁寧な生活

 この動画のシリーズ、どれもつい見入ってしまいます。多いものでは4000万回以上再生されているのですが、私は今のところコレ↓が一番好きです。今回初めて知った方は、沼化注意かも知れません。


Peanut and melon seeds, dried meat, dried fruit, snowflake cake - snacks for Spring Festival|Liziqi

 最初は、農村の四季折々の風景と主人公?の女性のDIYっぷりを紹介する番組かな、雰囲気が一昔前の『いいちこ』のCMぽいな、などと思いながら見ていたのですが、映り込んでいる「かまど」の形が犬の頭の形(蓋が骨を咥えた犬の口になってる!)になっていると気付いてから一発で惚れました。

 実は冒頭、トコトコ歩く子犬や山羊が登場した時点で、既に二発も三発も惚れていたのですけれど、とにかく惚れました。ちなみに、このかまども彼女が設計から自分で作り上げる回があります。あと、服や洗面所を自作する回なども。

 ビールを手作りする回では、撮影しているカメラマンも一緒に乾杯に加わる場面があったり、山奥で昔ながらの暮らしなのかと思ったら、スマホやノートPC、バイクが出てきたりしますので、これは高精細カメラで撮影されたドキュメンタリー“風”動画チャンネルという分類になるのでしょう。画面からは、いい匂いしかしません。

 それにしても、慣れた手付きで繰り出される食べ物の美しさったらもう。

 冷めた眼で見れば、予め決められた手順をこなしているだけなのですが、動きのひとつひとつが、とてつもなくクリエイティブな作業に見えるから不思議。

 包丁さばきでもスマホさばきでもなんでもいいのですけれど、生活の中に溶け込んだ手際の良さに、「匠」とか「誇り」とか「感謝」とか「こだわり」とかそういう気持ち悪い(※ごめんなさい)ものを含まない、機能美というか行動美というか、意図せずに洗練された魅力を感じます。

 あの動画の女性が、生活苦から村を出て、街の細い路地を入ったビルの2階にある小さな会社に就職したとしても、階段を上り下りする姿や、売り上げを数えたり、帳票をめくったり、ECサイトに自社製品をアップする姿に、私は同じように見入ってしまうでしょう。


Everyday life in bygone days in Tokyo, 1966 昭和東京