露わ

 また犬の話で恐縮です。

 犬を飼わなくなってからというもの、ツイッターでもなんでも、タイムラインに可愛い犬の画像が流れてくると、うれしいのです。川に洗濯に行ったら大きな桃が流れてきたお婆さんもこんな気持ちだったのかな、くらいのいい犬が流れてきたときは、本当に自分の手で育てたい気持ちになります。

 だけど、中には好きではないものもありまして、一つは「コスプレ」をさせたものです。自分にも身に覚えがないわけでもないので強くは言えないのですが、あれは、ただ飼い主が楽しんでいるだけなので、犬ではなく、飼い主の願望を見せつけられている気がするからです。

 そして、もう一つ、これは許せないものがあります。それは犬がうんちを頑張っているときの姿です。あのなんとも言えない背中のフォルム、困ったように見上げる表情、小刻みに震える身体…。これも正直に申しますと、たまらないです。たまらなく好きです。散歩中に何度カメラに収めたいと思ったことでしょう。

 行為中、気配は感じても、視線は決して合わせない、見えない信頼がそこに生まれるのです。しかし、出終わったうんちを拾っている間は、主従が逆転。いつもは、「待て」だの「座れ」だの命令しているのに、今こうしてその同じ相手の排泄物をそそくさと…。

 以前、犬は自分のうんちを拾っている飼い主のことをきっと変態だ(もしくはよほど愛されている)と思っているみたいな投稿をどこかで見たような気がするのですが、多分その通りです。

 私は、気付いたのです。誰かに「昨日、犬のうんち拾ってましたよね?」と言われるだけでも恥ずかしいのに、自分の排泄シーンを勝手に世間に晒されたらどう思う?

 どんな事情があろうとも、うんち姿だけは撮るまい、私は固く誓ったのでした。

 最後になりましたが、わんこのようなうんこの話になったことをお詫びいたします。