科学と法と権力と

福島第一原子力発電所事故後に発生している放射性物質を含んだ(汚染)水のうち、トリチウム以外の放射性物質を安全基準を満たすまで浄化したいわゆる「処理水」の海洋放出の件、あれどう思います?

www.meti.go.jp

www.bbc.com

中国政府の猛反発について、日本側が「IAEAのお墨付きもらってるから大丈夫!」とか「中国人、非科学的アルよ!」とかいう気持ちはわからないでもない。福島第一原子力発電所由来の(汚染)水を安定した方法で減らすためには、“処理水”として海に流すのが現実的だからだ。しかし、これは今の日本というか世界の科学技術の敗北である。

誰も公には口にしないが、何年待ったとしても地元の同意が取れることはない。あとは政治的にどう折り合いを付けるか、それしかないとわかっていながら、これまで先延ばしになってきた。

そこは“外交の岸田”である。地元がいつまでもウンと言わない?ならば、国際社会の同意を取ればいいじゃないか!というわけだ。岸田首相が評価されるとしたら、とにかく“決断”をしたという一点に尽きる。

だから、科学の敗北と地元軽視を露呈した今回の処理水の放出は、現実的な判断だったとしても決して誇れるものではないはずだ。

中国に科学的根拠や他国の同意を突きつけて勝った気になっている人は、これで各国が原発事故に限らず何かあった場合に、海に流しても良い前例になり得ることをどう思っているのだろうか。中国は日本を凌ぐ軍事・経済大国であり原発大国だぞ?その時、ちゃんと「いいよ!」って言える?

それよりなにより、私がずっとモヤモヤしているのは、海は誰のものかということ。

普段、浜辺の掃除もしない人が決めちゃっていいわけ?ドヤ顔でだよ?ごめんなさいのひと言もなしにだよ?

科学?法?国際協調?うるせーよ。

いやほんと、どいつもこいつも先ずお天道様に謝れって話だよ。

それが嫌なら海に持ち主の名前書いて貼っとけよ!