思い出

乗らない日記

もうすぐ1年になる。愛犬が死んでから。 記憶というのは、何かに紐付けられているという。お正月は確かにおめでたい気分にはなるのだが、1月のこの寒さは、どうしても彼が亡くなる間際の様子を思い出してしまう。私は、ずっと彼の心臓のところに手をやって…

酒と泪とアセトアルデヒド【完】

いち子は、インテリア関係の販売会社に就職した。一息つける場所を残しておきたかったのか、バイト先はすぐには辞めず、仕事帰りに来たりしていた。 いち子の配属先のお店は、大阪の有名な商店街の中にあった。 「へたっちょも、遊びに来てよ!」とよく言っ…

酒と泪とアセトアルデヒド【6】

私は、近頃いち子の様子がおかしいと感じていた。妙によそよそしいのだ。 誰でも機嫌の悪いことくらいはある。こちらがいつもどおりに接していれば、そのうち元に戻るだろう。最初はそのくらいに思っていた。 しかし、どうやら私にだけ様子がおかしいことが…

酒と泪とアセトアルデヒド【5】

バイト先の厨房でいち子に交際を断られた後、確かにフラれたショックはしばらくあったが、いち子との関係は変わらなかった。 これは決して、負け惜しみや強がりなどではない。バイト先の気の合う二人のままだった。どちらかが(まあ私だ)が、これ以上を欲し…

酒と泪とアセトアルデヒド【4】

あなたに好きな人がいるとする。 そのことを一番先に誰に伝えるべきか。 それは、あなたの好きな人、その人である。 私のバイト先(カラオケボックス)には、アルバイトの主のような男性がいた。 昼間も別のところで仕事をしていると言っていたが、決まった…

酒と泪とアセトアルデヒド【3】

「…好きや。」 だったか、もっと軽い調子だったか、もう言い回しは忘れたが、私は酔った(勝利の)勢いもあって、いち子に告白をした。 彼女のわがままな言動も、読めない行動も好きだったし、何より一緒にいて楽しかった。彼女も私との居心地の良さを感じて…

酒と泪とアセトアルデヒド 【2】

私が働いていたカラオケ店(カラオケボックス)は、基本的に社員は1人(店長)、あとはバイト(パート)が曜日や時間帯によって2~4人程度入る体制だった。時給は780円~900円くらいだったか。 勤務時間は、昼・夕方・深夜のシフト制だった。私は、夕方勤務…

酒と泪とアセトアルデヒド 【1】

私がカラオケ店でアルバイトをしていた頃、店内にはよく安室奈美恵の『Body Feels EXIT』が流れていた。 ♪ここまでどんな 道を歩いて あなたにやっと たどり着いたかを 説明しよう。口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分…

時代はパーシャル

1984年 松下電器産業(現パナソニック)から、食材をマイナス3℃付近で部分冷凍することにより、一般的な冷蔵やチルドよりも長く鮮度を保つことができる「パーシャルフリージング」機能を搭載した冷蔵庫が発売されました。この技術は、現在も「微凍結パーシ…

活気あふれるあなた自身

「活気あふれるあなた自身」は、グーグル翻訳による「lively up yourself」の和訳です。 そして、この『lively up yourself』は、世界三大ボブの一人Bob Marleyの曲です。 Bob Marley - Lively Up Yourself (Live) 世界三大ボブとは言っても、私の場合、Dyla…

てとてしとし

思い出した。 TV>「おててのしわとしわを合わせて幸せ」 私>「ほんまや、大発見や~!」 お仏壇のハセガワ CM しかし、それは単なる「しわあわせ」に過ぎないと気づくのに時間は掛からなかった。私は、そんな“幸せになれない”素質を持った子どもだったのか…

春色ピットイン

つぼみのままでいて欲しい。 いられるわけがないじゃない。 というわけで、春に向けての話題でも書こうかと思っていたら、連日のご陽気のおかげでアッという間に旅立ちの時へ。 誰が言ったか忘れましたけど、 「桜は散るのではない。“自由”を得たのだ。」 と…