確かにあったフジロック2020

 6月5日 新型コロナウイルスの影響で、「延期」と公式発表された『FUJI ROCK FESTIVAL 2020』。言葉を選んだところで、「中止」であることは明らかでした。

 7月31日 『FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE』を開催するとの発表があったときも、要するに過去の再編番組でしょ?これではライブのようには盛り上がるはずがないと思いました。

 もう何年も苗場に行っていない私でさえ、こんなやさぐれた感じだったので、行く予定だった方々の心中お察し申し上げます。今回ばかりは、やk、、じゃなくてダフ屋さんにも同情いたします。

 ところがどうでしょう。気休めになればくらいのつもりだったのに、あらやだ、楽しいじゃない?タイムテーブルに日課が同居して、配信終了とともに一日が終わる。これってもう、Liveじゃない??Lifeじゃない???

 でも不思議なことに、翌日のリピート配信では、そういう気分にはならなかったんですよね。なんと言うか、刹那が足りない感じ。これ、伝わりますか?

 それと、「サンボマスター」のスタジオライブ配信のときに思ったのですが、リアルタイムなはずなのに、過去のフジロック出演動画を観ているときのほうが、ライブ感あったんです。これも、考えてみたら不思議なことで。nowやsameだけでは語れないからLiveなのですね。

 実は私、サンボマスターの熱いおでん感というか、愛こそロックンロールみたいなところが苦手でして、普段なら自分から聴こうとすることは、まずない(ゴメン)のですけれど、フェスだとなぜか気になる存在に昇格。ボーカルの叫びそのものよりも、それに応える観客の「ウォオオオー!」が聴きたくなるのです。なぜならその瞬間、この世の中には、まだこんなにもバカがいて、自分の中にもまだバカの欠片が残っていることが確認できるから。

 よく、ベテラン歌手がコンサートなどで、自身の往年のヒット曲を妙にアレンジして歌うことがあるけれど、あれはもう曲自体はただの「器」になっていて、当時の心はそこにはないように思います。一方で、eastern youthなんかもそうだけれど、いつまでも同じ熱量で伝えようとする人たちがいる。初めて聴いたときに感じた、自分と同じ葛藤や衝動。

 あれからお前も、もっとスマートに、流されて生きたって良かったんだよ。スターバックスでボサノバを聴きながら、行き交う街の人を眺めているだけでもよかったんだよ、本当に。本当に、いつまでロックやってんだよ…。

 それでは聴いてください。あの夏の口笛。


eastern youth - 夏の日の午後(FUJI ROCK'18)

 

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(2021.8.24追記)

リンク切れの為、違う動画貼っておきます。

(画質、音質悪いですが、ライブ感最高)


www.youtube.com