あなたが決めて

 こういうご時世なので、あまり人とじっくり話すことも少ないのですが、先日、用事で知人宅を訪問した際に、考えさせられることがありました。

 都会の事情はわからないのですが、私の住む田舎ではマスクをする人が減ってきている印象です。2~3ヶ月くらい前までは、親しい仲でも訪問する側は必ずマスクをして、される側はなるべくマスクをするのが、最低限のルールみたいになっていたのですが、今はマスクなしでも家に来たり、家に入った瞬間にマスクを外す(なぜだ!!)人がいたりで、まあこれでは感染者増えるよね、、という感じです。

 その知人も例外ではなくて、以前とは異なり、マスクは無しで距離もそれほど気にしていない様子でした。

 私は、一応マスク(不織布)姿。かばんにはイソジンではなく、消毒用のエタノールを忍ばせています。どちらにしろ、相手が感染していたら気休め程度にしかなりませんけれど。。

 家に上がって腰が落ち着くと、やっぱり話は、新型コロナウイルスに。そこで知人のご家族が揃って「政府が緊急事態宣言を出さないと第二波は収まらない!」と言っていたので、「え!?もしかして皆さん、全裸で草むらに入って虫に刺されても、注意書きがなかったからとか言うんですか??ちなみに今、みなさん全裸ですよ?」と言えたらもっと面白エピソードが書けたのに。

 更に気になったのは、ご近所でしかも若い世代の間で、今の時期に帰省をするのは許せないという声があるらしく、「なんで帰ってくるんでしょうねぇ?」と聞かれたので、「んー。やっぱり帰りたいからじゃないですか?」と答えておきました。

 そもそも、なぜに世間では“帰省”が問題になったのでしょうか。もしも、政策の矛盾を突くためだけだとしたら、本当に馬鹿も休み休み木陰でお休みください。

 私は、「Go To トラベル(キャンペーン)」には当初から反対なのですが、それは不安さえなくなれば自然に戻る客足を、民間はともかく国が今煽る必要はない(で、実際逆効果になっている)と思うからです。

 帰省するかどうかなんて、本来は誰に何と言われようが、自分で決めていいはず。どうせなら「気を付けていってらっしゃい」と言えばいいのに、識者を気取って、「オンライン帰省を推奨します」とか言ってる人は、せめて幽体離脱を推奨してください。

 いろんな事情で都会に出ていて、少し実家に帰って甘えたいとか、地元の景色を見てゆっくりしたい気持ちは、少なくともあの頃の私にはあったし、逆に帰りたくないときは言われても帰らなかったし、そういう年に数回のささやかなわがままが、根拠もなく決められたルール(というかムード)に勝てないなんて、こんなつまらない話はないです。

 他人に対する「帰省すべき/やめるべき」が、話題になるってこと自体が、なんて言うか、情けない。「そこは自由でしょう。」って当たり前に言えないってなんなの?人生は、アドリブのない即興劇なの?

 みたいなことをあそこで熱く語ったとしても、「じゃあ、みんな帰省していいってこと?」と言われるのがオチだと思った私は、とりあえず「若いときはみんなそうじゃないんですか?私にもそんな時代がありました。」と遠い目をして、会話を繋いだのでした。


Flying With The Snowman / Walking in The Air