涼しくなりたい【2】

 以前、NHKBS『cool japan 発掘!かっこいい日本』で、音で涼を感じる日本文化はCOOL!みたいなことを言っていたのですが、どんなもんでしょうね。

 確かに、風鈴の音や稲川淳二の語りで涼をとる日本人は、異文化圏の人からすれば最高にCOOL(でMAD)な存在かも知れません。

 番組では物理的な制限を精神世界に置き換えることによって無限の広がりを見出そうとするという日本文化(例:わび・さび、枯山水)の素晴らしさを紹介しているつもりなのでしょう。

 しかし、残念ながら現代日本では、「“気の持ちよう”でどうにでもなる」みたいな、誤った精神論の土壌にもなっているようにも思います。今や“気“を通り越して“空気”まで読めとか、みんな超人になりたいの?Go muscle!Go fight!なの?

 とまあ、そんなむさ苦しい話は置いておきまして、私は暑いときにハンドパン(ハングドラム)の音を聞くと涼しさを感じます。これも日本人特有なのでしょうか。演奏している人が音をどのように感じているのか聞いてみたいものです。


Sam Maher - New York Handpan 01

 

 あと、シタールの音も涼しげに感じると思うのですけれど、やはり違うのでしょうか。インドも暑いし涼しさは欲しいはず。


Ravi Shankar & Anoushka Shankar Live: Raag Khamaj (1997)

 ああ、世界のラヴィ・シャンカルの演奏に涼しいも何もあったものじゃないですよね。すごい…。それにしても、シタールは、音色だけじゃなくて形状も美しい。なんか香ってきそう。

 

 形状と言えば、たまたま見つけたアーチリュートという楽器はまさにクールビューティー。


J.S. Bach: Partita in A Minor, Allemande BWV 1013; David Tayler, archlute

 楽器を抱く姿も美しい。もちろん曲も美しい。だって大バッハだもの。

 この感じの対極と言えば、こちらのタコ足サキソフォンでしょうか。


Rahsaan Roland Kirk - The Inflated Tear [Live in Prague, 1967]

 このローランド・カークは盲目のミュージシャン。

 彼には見た目など関係ない。表現する音こそが全て。

 たぶん、そう思う。

 

 さて。クールとは、どんなもんでしょうね。

 

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参考)まだ涼しくなりたい方へ


鬼首村手毬唄

 凍るわ…。