改憲論者

 小学生の頃、社会科の授業で「日本国憲法 前文」を暗唱する時間がありました。確か数週に渡って続いて、仕上げは一人ずつ立っての暗唱テストでした。


【中学公民】2-2③ 日本国憲法前文

 今思うと、先生は熱心な護憲派だったのでしょう。中学校ですべき内容を先生の独断?で私たちに教えていたような気がします。

 その先生は、この前文には憲法でいちばん大切なことが書かれています、と言っていました。文中に「平和」という言葉が何度も出てきますから、子どもながらに、日本はもう戦争をせずに、世界のみんなと仲良くしていきます、というようなことが書いてあることは分かりました。

 そして、その先生は、授業中に自分の言うことを聞かないある一人の生徒に我慢ができなくなると、その生徒の両脚を持って教室の窓(二階)から逆さ吊りにし、「先生の言うこときかんと、手ぇ離すぞ!!」と言って、その子がおしっこちびるくらいビビらせて言うことを聞かせていました。教室は大盛り上がりでした。

 先生のおかげで、私は日本国憲法が抱える矛盾に気づいたのでした。

 ちなみに女の先生でした。

         ーおわりー

 

 で、おわってもいけないので、もう少し書きます。

 

 そんなこともあって、憲法が今ひとつ心に響かないまま歳月は過ぎていったのですが、この曲に出会ったとき、これを私の憲法にしようと思いました。

 それが、ザ・ブルーハーツの『青空』(1989年)です。


THE BLUE HEARTS - 青空 (Aozora)

 作詞・作曲 真島昌利

ブラウン管の向う側
カッコつけた騎兵隊が
インディアンを撃ち倒した
ピカピカに光った銃で
出来れば 僕の憂うつを
撃ち倒してくれればよかったのに

神様にワイロを贈り
天国へのパスポートを
ねだるなんて本気なのか?
誠実さのかけらもなく
笑ってる奴がいるよ
隠しているその手を見せてみろよ

生まれた所や皮膚や目の色で
いったいこの僕の何がわかるというのだろう

運転手さんそのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問いつめる
まぶしいほど青い空の真下で

生まれた所や皮膚や目の色で
いったいこの僕の何がわかるというのだろう

運転手さんそのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先ならどこでもいい
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問いつめる
まぶしいほど青い空の真下で

  >生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう

 特にこの部分は、いじめられていたことがあった私には、かなりの串刺し表現でした。

 そして、この条文が思い浮かびました。

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 日本国憲法にはそう書いてあります。この曲のタイトルでもある『青(い)空』=日本国憲法、と思ったりもしましたけれど、今は違う気がしています。

 青い空を人間が縛れるはずがないように、“僕”の問いにきちんと答えられないようなことは、本来誰かに言われるまでもなくやるべきことではない、と考えたほうが“僕”の気持ちにもっと近い感じがします。

 

 多分、ここでの“僕”は、現実に嫌気が差しながらも、惰性で動く“そのバス”には乗らなかったでしょう。曲の終わったずっと先まで乗らなかったのかどうかはわかりませんが、乗ったとしても最後まで粘ったか、自分なりの考えがあったと思いたいです。

 私もいろんな矛盾を抱えつつも、その時大事にしていた気持ちをギリギリまで持っていたいと思ふ、心の片隅にでもいいから。

         ーおまりー

 

 ちなみに、この『平成のブルース』(シングル盤『青空』のB面曲)のことは、この記事を書いてから初めて知りました。こっちは国家にしようかな。


平成のブルース

作詞・作曲 真島昌利

いつまでたってもおんなじ事ばかり
いつまでたってもなんにも変わらねぇ
いつまでたってもイライラするばかり

オマエがそんなに愛を語るから
そんなにリッパに愛を語るから
オレの心はチッソクするだろう

ウソをつかねけりゃやってられねえぜ
いいわけしなけりゃやってられねえぜ
バカのフリしなきゃやってられねえぜ

ヒーローめざせとオマエが言うから
ヒーローめざせとみんなが言うから
ヒーローめざせばキラワレちまった

ヤな野郎だなとオマエが言うから
ヤな野郎だなとみんなが言うから
いい人ぶったらみんなにほめられた

駄文をつらねていい商売だな?
オマエには何も見えちゃいないだろ?
ディランのMR.ジョーンズそのもの

ヒガイ者面して何言ってやがる
ゼンニン面して何言ってやがる
痛い目にあわなきゃわからねえのか?

名ヨ白人がいい気になってらぁ
名ヨ白人がいい気になってらぁ
何て恥ずかしい人達なんだろう

お金があったら社長もこわくねぇ
お金があったらサセンもこわくねぇ
お金があったらクビもこわくねぇ

お金があったらサベツもこわくねぇ
お金があったら地上げもこわくねぇ
みんながお金の言うこときくから

強行サイケツ問答無用さ
強行サイケツいつでもそうだろう
問答無用で君達はクビだ

中流意識をまだ気取るつもり
中流意識をまだ気取るつもり
3%で見栄も吹っ飛ぶさ

オレにはコミック雑誌なんていらねぇ
オレにはコミック雑誌なんていらねぇ
オレにはコミック雑誌なんていらねぇ


ロックンロールスターになりてぇな
ロックンロールスターになりてぇな
ブルーハーツのマネすりゃいいんだろう

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参考)


1995日本シリーズ 小林・オマリーの14球

 振っても振らなくても勝負は決まります。