立秋サマータイム

 東京オリンピックに向けて、「サマータイム」の導入が噂されているみたいですが、私の場合、「サマータイム」と聞いてまず連想するのは曲のほうの『サマータイム』です。

 サマータイム (曲) - Wikipedia

 Wikipediaによると、

現在までに少なくとも2600を超えるカヴァーが産み出されている

だそうで、数えた人すごい。

 元曲はオペラのアリア(知らんかったです!)ということは、これなのでしょうか。


Kathleen Battle sings "Summertime" from Gershwin's Porgy and Bess

 後の人々が歌い継ぎたくなるのもわかる気がします。

 2600もあると、どれが一番ていうこともないのかも知れませんが、私ランキングではJanis Joplinのカヴァーを暫定1位ということにさせてください。


Janis Joplin - Summertime (Live -1969)

 何が良いって、歌詞の出だしの前に小さい“スススススス”が入ってるところが彼女っぽくていいです。完全に猛暑。忘れられない異常気象。

 それと甲乙つけがたいのが、Ella Fitzgeraldによるカヴァー。


Ella Fitzgerald - Summertime (1968)

 夏の終わり(終わりの始まり)を悟ったかのようなサマータイム。

 彼女に「日本には“立秋”という言葉があるのです。」と言ったら「あら、ステキね。」と返してくれそう。

 

 良い夏を。

FUJI ROCK FESTIVAL 2018 YouTubeライブ配信ありがとうございました。

 今年のフジロック、良かったです。ライブ配信。

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 “supported by SoftBank”ということで、安かろう悪かろうな企画だろうと思っていたのですが、ゴメンなさい。Yahoo!BBのモデムの入った紙袋を配るお姉さんを避けながら街を歩いていた時代やフジロック会場に乗りつけるNTTドコモの移動アンテナ車を見ながら自分のケータイ電話を恨んだ時代はとうに終わっていたのでした。

 初めて持ったケータイはJ-PHONE。その後、Vodafone→SoftBankとなっても持ち続けましたがサポートの悪さに耐えきれず、7年ほど前についにdocomoに乗り換えたのも今では良い思い出です。

 

 私は2013年を最後にフジロックには行っていません。しかし、毎年夏が来れば思い出す遥かな苗場、青い空、、青過ぎる空、、、

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【eastern youth】@ホワイト



ライブで泣いたのはこれが初めてかも知れない。



今まで、音楽で泣く自分を想像したことがありませんでした。





涙は心の汗



…そんなクサい台詞を抵抗無く吐けるような、3日で最も「沁みた」ステージ。





この日の天気予報は雨。



雨とまではいかないものの、朝から雲が太陽を遮っていました。



しかし、彼らが演り始めると、ホワイトステージに白い光が…。





『青すぎる空』『夏の日の午後』





曲と同じだ。





会場と天上がリンクしてる。



この日、観衆ともリンクしたと思いたい。





そういうステージでした。





スクリーンに映る吉野(ギター&ボーカル)の顔は、クシャクシャのひどい顔だったけど、そういうリアルさがまた、説得力となって。





足を前後に拡げ、ひたすら前のめりで弾く二宮のベースは、「地に足をつけて進め」と言っているようで。





時々不器用さを曝け出すが、ひとつひとつが重い田森のドラムは「目先に囚われるな」と諭しているようで。





「つかみ」のMCで「今からやるのはなんの変哲も無いロックンロールです。」「分かって下さい。これがおじさんの精一杯です。」って言ってましたが、全てが終わる頃、その言葉には単なる「笑い」の要素を超えるものが加わっていました。





私は「ロック」っていうのは、「現状に満足しないことを表現する」ことだと思っています。それは単なる個人的な「不満」ということではなくて、かつてはベトナム戦争への「抗議」だったり、監視社会への「抵抗」だったり、見えない何か大きなものに対して、個人でできる小さな行動がロック。



今の冷めた時代に、そういう小さな行動が共鳴して社会現象にまで発展することは考えにくいですが、「ロック」が無くなったらあとはもう「惰性」とか「服従」とかそういう言葉しかなくなってしまいます。





最近、彼らの出す曲に当初の勢いが無くなったような印象を受けていましたが、この日それは大きな間違いだと言うことがハッキリしました。





「やっぱりeastern youthはロックな人たちです!」

 

  

 青い。このパーフェクトブルーなレポを描いたのが、2006年。

 そして、ライブ配信で見た今年のeastern youth。なんだよ、全然変わってないじゃないか。(メンバーは変わったけれど)

 

 私は昔から、

> 青すぎる空  (『青すぎる空』より)

> 神様あなたはなんでも知っていて 心悪しき人を打ち負かすんだろう でも(『夏の日の午後』より)

のフレーズが好きで、時々頭の中でリピートするのですが、eastern youthの熱烈ファンということもなくて、単独ライブには行ったこと無いし、音源もアルバム『旅路ニ季節ガ燃エ落チル』(1998年リリース)1枚しか持っていません。

 だけど、フジロックでは涙が出てしまいました。今年のライブ配信でも。

 

 最近巷ではキャッチーさを狙った“~過ぎる◯◯”という表現(「美し過ぎる海女」など)が多いですが、当時この青”すぎる”という表現が私にはすごく新鮮で、刺さりました。鮮やかな、でも爽やかな、でもなく青すぎる青。曲の歌詞全体の意味は正直なところよくわからないのですが、この部分だけが刺さったのを覚えています。自分が空の青に負けている気がして。

 “神様”のことは、本当に子どもの頃同じように思っていて、最初このフレーズを耳にした時は驚きました。特に「でも」のところ。そう、“でも”なんだよ。その、「でも」の中にやるせなさとか怒りとかたくさんの思いが込められている気がして。

 しかも真っ直ぐ生きようとするほどそれらは膨らむ。今でも神社に行けば手を合わせますが、「神様いるんだろ?いるなら力見せてみろよ!変えてみろよ!」みたいな罰当たりなことを叫びたい衝動に駆られることがあります。まあ、しないけど。

 

 しかし、今回の配信ではこれらの部分では涙が出るまでには至りませんでした。

 出たのはココ。

>何回だってやり直す 何回だってやり直す(『矯正視力〇・六』より)


eastern youth - 矯正視力〇・六 (HQ)

 そうだ。南海(ホークス)だってSoftBankでやり直して優勝したんだ。キミも変われる!やればできるはずだ。がんばれ!

 みたいな応援ソングなら反吐が出て終わりですが、この曲は違う。

 そんな華やかさは微塵もなく、ただ目の前のことを実直にやり続ける(しかない)人の歌。泥臭く骨太く、希望はないかも知れないがどっこい意志はある。なんだろうか、成果とか効率とか生産性とか、大事なことはたくさんあるけれど、自分は何を大事に生きているんだろうか。問い直してみたい。

 とまあ、曲を聴きながら書いていてまた涙が出てきましたが、自分に何かあったらこの日を思い出してまた頑張れるかもしれないと思いました。

 

 以上、ありがとう。

タクロックからあなたへ

 フジロックにお出かけ予定のみなさん、準備は進んでいますか?もうお祭り始まりますよー!どんなに急いでいても、チケットとお金だけはダメージが大き過ぎるのでお忘れなく。

 まあ、このブログを読んでいるようでは、きっと進んでいないでしょうけれど、足りないものがあっても、行けばきっとそれが思い出(財産)になります。うなぎのタレでうなぎを食べた気になれるという人がいましたけれど、それもうなぎを食べたことがあるからです。

 私は、今年も不参加ですけれども、あの雰囲気を思い出すだけで家にいても会場に行った気になれるし、行く人を応援したり、快く送り出せたりもできそうです。(クソッ!)

 

 さて、今年は暑さ対策だけでよいと思っていたら、今日になって台風12号の動きが気になりだしました。今週土日あたりは、何らかの影響がありそうです。

気象庁 | 台風情報

 

 テントサイト泊の人は、張る場所によっては池になったり、テント内に川が流れたりすることもあると思いますので、よく考えてどうぞ。蛙か河童になったつもりで過ごすのも悪くはないのかも知れませんが、危険な場合は早めに苗場プリンス(テントサイトからなら実質ノーチェックで入れるはず)かレッドマーキーに避難したほうが無難かも知れません。

 基本的なことですが、雷雨の場合は高い木の下や鉄塔類の陰にいると落雷の可能性があるので危ないですよ。なるべく建物内へどうぞ。

気象庁|雷から身を守るには

 

 それと、雨が激しいときには川へは絶対に近づかないように。ところ天国でカレー食ってる場合じゃないですよ。どうしても食べたいならオアシスエリアに下りなさい。いっぱいあるから。

 

 交通機関の乱れについてはもう祈るしかないですね。私は車で行ったときに、二度三度大雨でひどい目に遭った(無事だったからいい思い出だけど)ことがあります。とにかく、何かある前に、早め早めの給油と食料や飲み物などを確保しておくように心がけてください。

 

 先ほど、「チケットとお金だけは忘れないように」と言いましたが、フジロック会場って知らない間に電子マネーがほぼ全エリアで使えるようになってたのですね。ジップロックに現金を分けて入れていた時代が懐かしいです。

電子マネーの事前準備〜会場での使い方|フジロックフェスティバル '18

 

 キャッシュレスでフェスなんてすごく便利ですけれど、機械のトラブルなども考えればやはり現金も持っておきたいところ。ここ数年フジロックに行っていないので、わかりませんが、野外フェスでは天候や環境の影響が少し心配です。

 ちなみにですが、電子マネーは種類によって紛失や盗難に遭った場合の保証が異なるので、知っておいて損はないです。

 「楽天Edy」は保証なし。交通系電子マネー(SuicaやPASMOなど)も無記名のものは、保証されません。「iD」「QUICPay」は保証あり。おおまかにはそんな感じです。 

電子マネーを紛失・盗難時の補償体制は? [電子マネー] All About

 どの決済手段をメインにするにしても、楽しむ前に一文無しにだけはなりませんように。

 

 さて、いろいろ無いものだらけの私は、今年はYouTube「Fuji Rock Festival」公式チャンネルで生配信してくれる映像を観て苗場に行った気にさせてもらうとします。

 冷房の効いたわが家からありがとう。

www.itmedia.co.jp


FUJI ROCK FESTIVAL 18' - ANNOUNCING FINAL LINEUP & TIMETABLE!

 それでは、いってらっしゃい。

 そして、無事にかえってらっしゃい。

 

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追記

 台風心配なので、行動前には必ずオフィシャルホームページや気象情報、交通情報などを必ず確認してください。TwitterなどのSNSの情報だけを頼りにしてると危ないですよ。特に拡散だけの投稿には注意。

 くれぐれも無理はしないよう。無事に帰ってこその遠足ですよ。

涼しくなりたい【2】

 以前、NHKBS『cool japan 発掘!かっこいい日本』で、音で涼を感じる日本文化はCOOL!みたいなことを言っていたのですが、どんなもんでしょうね。

 確かに、風鈴の音や稲川淳二の語りで涼をとる日本人は、異文化圏の人からすれば最高にCOOL(でMAD)な存在かも知れません。

 番組では物理的な制限を精神世界に置き換えることによって無限の広がりを見出そうとするという日本文化(例:わび・さび、枯山水)の素晴らしさを紹介しているつもりなのでしょう。

 しかし、残念ながら現代日本では、「“気の持ちよう”でどうにでもなる」みたいな、誤った精神論の土壌にもなっているようにも思います。今や“気“を通り越して“空気”まで読めとか、みんな超人になりたいの?Go muscle!Go fight!なの?

 とまあ、そんなむさ苦しい話は置いておきまして、私は暑いときにハンドパン(ハングドラム)の音を聞くと涼しさを感じます。これも日本人特有なのでしょうか。演奏している人が音をどのように感じているのか聞いてみたいものです。


Sam Maher - New York Handpan 01

 

 あと、シタールの音も涼しげに感じると思うのですけれど、やはり違うのでしょうか。インドも暑いし涼しさは欲しいはず。


Ravi Shankar & Anoushka Shankar Live: Raag Khamaj (1997)

 ああ、世界のラヴィ・シャンカルの演奏に涼しいも何もあったものじゃないですよね。すごい…。それにしても、シタールは、音色だけじゃなくて形状も美しい。なんか香ってきそう。

 

 形状と言えば、たまたま見つけたアーチリュートという楽器はまさにクールビューティー。


J.S. Bach: Partita in A Minor, Allemande BWV 1013; David Tayler, archlute

 楽器を抱く姿も美しい。もちろん曲も美しい。だって大バッハだもの。

 この感じの対極と言えば、こちらのタコ足サキソフォンでしょうか。


Rahsaan Roland Kirk - The Inflated Tear [Live in Prague, 1967]

 このローランド・カークは盲目のミュージシャン。

 彼には見た目など関係ない。表現する音こそが全て。

 たぶん、そう思う。

 

 さて。クールとは、どんなもんでしょうね。

 

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参考)まだ涼しくなりたい方へ


鬼首村手毬唄

 凍るわ…。

涼しくなりたい【1】

 これだけ暑いと来月には夏を通り越して異次元の世界にいってしまいそう。日本の四季はもう春熱秋冬。

 梅雨が懐かしい。あんなに鬱陶しい湿気だったのに。毛先の跳ねは潤いの証左でした。懐かしい梅雨、お梅雨、おつゆ to you。

 短かった今年の梅雨に撮れた写真。

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 田舎に住んでいるせいもあると思うのですが、雨蛙って、いつも意外なところに潜んでいて驚かされます。車のドアノブの陰とか流し台の隅っことか。なんなんでしょうね、あの自分の居場所を見つける嗅覚と泰然自若なさまは。

 私もあまり王道を行くタイプではないので、雨蛙のニッチな生き方は見習わなくてはいけません。

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 お恥ずかしいことながら、数年前までガクアジサイは紫陽花の亜種だと思っていたのですが、こちらのほうが原種だそうで。

 以前は手毬のような白いアジサイ最高!ガクアジサイ?地味!くらいに思っていたのですが、ガクアジサイの形状の奥深さに気付くようになってからは、愛で方も変わってきました。理由を自分なりに考えてみたのですが、たぶん地味な自分を愛でて欲しい願望の表れだと思います。気づいて!ほらもっとよく見て!こっちぃ!

  

 わあ。すごい熱気。

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参考)ガクアジサイからのまさかのGAKU-MC。


DA.YO.NE - EAST END×YURI

 ほんとごめんなさい。